【安保徹】白血球の自律神経支配の法則

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「自律神経が白血球を調節する」
これは、安保徹先生が世界で初めて発表した理論です。



白血球が自律神経を支配するパターンは、2通り(AとB)に分けることができます。

Aパターン(交感神経系)

交感神経が優位になると、アドレナリンの分泌量が増加します。
アドレナリンの量が増えると、顆粒球が活性化します。

交感神経
交感神経は、活動している時、緊張している時、ストレスを感じている時などに働きます。
したがって、おもに昼間の活動中は交感神経がはたらいています。

アドレナリン
アドレナリンは、副腎髄質より分泌されるホルモンで、神経節や脳神経系における神経伝達物質です。
ストレス反応の中心的役割を果たし、血中に放出されると心拍数や血圧を上げ、瞳孔を開きブドウ糖の血中濃度(血糖値)を上げる作用があります。

顆粒球
白血球は顆粒球とリンパ球,単球に大別されます。
さらに、顆粒球は好中球,好酸球,好塩基球の3種類に分類されます。
顆粒球は細菌やウィルスに対して直接攻撃を仕掛けます。
顆粒球は、細胞内に細菌などを取り込み、その蛋白質を破壊します。
これにより、細菌などを破壊し消化してしまいます。
この働きから、顆粒球は貪食細胞と呼ばれています。

 

Bパターン(副交感神経系)

副交感神経が優位になると、アセチルコリンの分泌量が増加します。
アセチルコリンが増えると、リンパ球が活性化します。

副交換神経
副交感神経は、リラックスしている時、ねむっている時、体を回復している時などに働きます。
したがって、おもに夜の睡眠中、お風呂に入っている時、食事をしている時などに働いています。

アセチルコリン
アセチルコリンは、副交感神経や運動神経の末端から放出される、
神経刺激を伝える神経伝達物質です。

リンパ球
リンパ球は、脊椎動物の免疫系における白血球の一つです。
リンパ球には、ナチュラルキラー細胞、T細胞、B細胞があります。
これらはリンパ中で見られる主要な細胞種であるため、リンパ球と呼ばれています。

 

交感神経と副交感神経の働き

白血球の二大勢力

白血球は、「顆粒球」と「リンパ球」の二大グループから 構成されています。

両者を合わせると、白血球の95%を占めます。
残りの5%がマクロファージという 名の「貪食細胞」です。

 

顆粒球は、多数の黒味を帯びた顆粒を含んでいる貪食細胞です。

この細胞は活性酸素を多量に含む爆薬のようなもので、
アメーバのように動きまわって、
異物を腹いっぱいに食べたのちに自爆します。
自爆により、大量の活性酸素をまき散らすことになります。

体内の活性酸素の70~80%がこれによって発生するといわれています。
この活性酸素は 体を守る働きもしますが、
同時に、組織破壊や発がんという厄介な作用をもっています。

 

リンパ球は、捕食作用は苦手ですが、
異物を分子レベルで抗原と認識し、
抗体をつくる能力を持っています。

リンパ球にはいろいろな種類があって、
がんを攻撃する性能をもつのが、NK細胞 (ナチュラル・キラー細胞)です。
このほか、キラーT細胞、胸腺外分化T細胞もその役目を果たします。

白血球の残り5パーセントがマクロファージで、
異物を食べて排除する掃除係であると 同時に、
リンパ球が行う抗原抗体反応を手助けします。

すなわち、マクロファージは食べた異物を分解し、
それが体にとってどのような性質の抗原であるかを調べます。
そして、マクロファージ自身の表面の突起を通して、
リンパ球に対してその抗原の特徴を 伝達します(抗原提示)。

 

 

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血流をよくし自律神経を整え膝痛から腰痛、五十肩まで治す

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ゆっくり体を動かせば免疫力は向上する

食事で消化管を動かすこと以外にも、日常生活のなかで効率よく自律神経のバランスを整え、
免疫力を高めていくコツがあります。
ここでは運動の効用を中心に、その方法をご紹介していきます。

副交感神経は血液とつながっています。
つまり、血流をよくするような行動でも、副交感神経は活性化するのです。
血流をよくするいちばん手軽な方法は、体を動かすことです。
病気を治したいと思うなら、毎日少しづつでも運動をする習慣をつけていきましょう。

中高年に多いひざ痛や腰痛も、運動で血流を促すことで脱却できます。
そのさい、湿布薬を含めた消炎鎮痛剤、体を締め付けるコルセットなどは
血流の回復を阻害し、治癒を妨げるのでおすすめできません。

また、同じ運動でも、息が切れるような激しい運動は、交感神経を興奮させます。
副交感神経を刺激するのは、心地よいと感じる程度の軽い運動です。

 

具体的には、以下の運動をおすすめいたします。

● 散歩
無理をしないようマイペースで、楽しみながら取り組みましょう。
毎日続けられればベストですが、雨や風が強い日、体調の悪い日は休んでかまいません。
家でのんびりすごしてください。
また、マイペースで行えるという点では、サイクリングや水泳なども適しています。

● ラジオ体操
ラジオ体操は、全身の筋肉が運動できるよう、よく考えて作られています。
私も毎朝行っていますが、わずか10分間で心地よい汗をかくことができ、全身の血流がよくなっているのを実感できます。
ラジオ体操をすると早起きの習慣がつき、自律神経のリズムにメリハリができるという効果もあります。

● ひざ痛改善にゴロ寝自転車
ひざ痛は、体重負荷や筋力低下に伴う血流障害です。
散歩をするのがつらいほど痛む場合も、仰向けに寝て行う自転車こぎなら、重力がかからないので、
無理なく動かすことができます。
そのさい、多少の痛みは血流の回復反応と考えて、がまんして続けましょう。
そして、痛みの軽減に伴い、回数をふやしていきます。
この自転車こぎは私の母も実践し、ひざ痛は完全に治っています。

● 腰痛改善に前屈・後屈・腰ひねり
ギックリ腰など、立てないほどの急性腰痛では、まずしっかり休養をとることが大切です。
しかし、慢性腰痛の場合なら、いくら痛くても多少は動かすことができるでしょう。
無理のない範囲で状態を前後に倒したり、反らせたり、あるいは左右に腰をひねったりする運動を根気よく続ければ、
1ヵ月ほどでよくなります。

● 五十肩改善に、あおむけ寝
五十肩は血流障害なので、多少いたくても、すこしずつゆっくり方を動かし、血流をよくしていけば改善します。
また、寝るときに、なるべくあおむけの姿勢をとるようにするのも五十肩の予防・改善を促すコツです。
夜中に目が覚めたら、あおむけに戻るよう心がけるとよいでしょう。

● 入浴法
血流を促進するという意味では、入浴も非常に重要な要素になります。
37~38度Cくらいの、ややぬるめのお湯にゆったりとつかれば、
血流がよくなって体も温まり、疲労感や筋肉のこりはスーッと消えて、体も心も最高にリラックスできます。
入浴後は、水分を充分に補給してからやすみます。
さらに、体を冷やすと血流が悪くなるため、冷房などは控えます。
冷たいものを飲んだり食べたりするのも、基本的には控えましょう。

● 呼吸法
自律神経は無意識のうちに働く神経ですが、意識でコントロールできる方法もあります。
それが呼吸法です。
呼吸は、交感神経が優位のときは速くなり、副交感神経が優位のときはゆっくりしたリズムになります。
一日中呼吸を意識するのは不可能ですが、限られた時間に大きく深呼吸してゆっくり吐き出すことを繰り返すと、
酸素が充分に取り込まれたという情報が自律神経に到達し、ゆったりとしたリラックスの呼吸が続きます。

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体を統合的にとらえ病気を根本的に治す「新しい免疫学」

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 分析ばかりして治療に役立たない医学

民間療法や代替療法などを紹介するさい、「免疫力」という言葉がよく使われます。
免疫とは、病気から身を守るために体に備わる自己防衛システムですから、
その能力が高まれば、確かに病気の予防につながりますし、治癒も促されます。

しかし、それらの多くは経験に基づく治癒例を並べるだけで、
治療によってどのように免疫力が上がり、
病気から逃れられるのかという科学的・理論的な裏づけは、
ほとんど行われていません。
そのため、民間療法、代替療法に携わる医師も患者も、
どこかしらあいまいな気持ちを抱えて、
治療に取り組んでいるのが現状ではないでしょうか。

それは、現代医学における免疫学が、分析的研究に邁進してきた結果でもあります。

遺伝子、ゲノム、たんぱく分子解析など、
現代の医学は、人間の体のとてつもなく微細なしくみを解明する分野で、
めざましい成果をあげてきました。
しかし残念ながら、それらが直接的に治癒をもたらす医療に反映された例は、ほとんどみあたりません。

 

免疫学の世界も同様です。

病気がどうして起こり、治るのかという全体像をとらえることなく、
細分化した分析研究に突き進み、それらを総合的に把握しようとする研究者も見られません。

臨床免疫学の分野では、
分析的研究から出てきた結果を応用した対症療法で、
その場をしのぐことばかりしています。

このような状況では、免疫学が医学や医療の主流になり得るはずもないわけです。

私は、もっと統合的な視点で、免疫に代表される自己防御システムをとらえ、
その根本的な謎が解明されれば、免疫学は必ず真の治癒に役立つと信じて、
研究を続けてきました。

そして、1990年代に臨床医の福田稔先生との共同研究によって、
「白血球の自律神経支配の法則」を発見すると、
そこから人間の病気がどうして起こるのかという全体的なしくみ、
あるいは現代医学が病気を治すことができない問題点などが次々に見えてきたのです。

 

白血球の自律神経支配

白血球の自律神経支配

顆粒球は交感神経が分泌するアドレナリンのレセプターを持ち、
リンパ球は副交感神経が分泌するアセチルコリンのレセプターを持つ。
そのため、交感神経が刺激されると顆粒球がふえ、副交感神経が刺激されるとリンパ球がふえる。

 

白血球は自律神経が支配していると判明

まずは、その重要なキーワードである自律神経について、簡単に説明しておきます。
自律神経は、体を構成する約60兆個の細胞を、無意識のうちに調整している神経です。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、
両者が環境や状況に応じてシーソーのようにゆれ動くことで、
私たちの体調は整えられています。

交感神経は体調を興奮させる神経で、主に昼間の活動時に優位に働きます。
交感神経が優位になると、その末端からアドレナリンという神経伝達物質が分泌され、
心臓の拍動を高め、血管を収縮して血圧を上昇させていくことで、体は活動的になります。

一方の副交感神経は、主に休息時や食事をするときに優位に働く神経で、
アセチルコリンという物質を分泌して心臓の拍動をゆるやかにし、
血管を拡張させて血流を促して心身をリラックスした体調に整えます。

また、副交感神経が優位になると細胞の分泌や排泄が促されて食欲がすすみ、排便も促進されます。

 

白血球は自律神経が支配している

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私と福田先生が突き止めたのは、
交感神経と副交感神経が、内臓や血管だけでなく、
血液中の白血球の数と働きをも調整しているという事実でした。

白血球は、免疫を含む自己防御システムにおいて、
きわめて重要な働きをしている血球細胞です。

つまり、わたしたちの発見は、自律神経の乱れが免疫力の低下を促し、
病気を発生させる原因であることを解明したのです。

これにより、昔から経験的にいわれてきた「病は気から」「ストレスは万病の元」という言葉の意味も明らかになりました。

精神的・肉体的ストレスは自律神経のバランスを乱す元凶で、
主に交感神経の緊張を促すことが知られています。
すなわち、ストレスが高じて交感神経の過度な緊張が続くと、
それに連動して白血球の働きも乱れてきます。
その結果として免疫力が低下し、あらゆる病気が発症するわけです。

 

対症療法に頼らない真の免疫学を提唱

こうして病気が起こるしくみがわかれば、おのずと治すしくみも見えてきます。

根本原因であるストレスを取り除き、
自律神経の働きを整えて免疫力を回復させれば、
どんな病気も根治に向かっていくはずです。

ところが、この生体の治療を阻止する方向に進んでいるのが、現代医療の実態です。
少しでも不快な症状を訴えれば医師は容易に薬を処方し、患者さんもそれをありがたがって飲む。
これが現代の医療の姿であり、やがて薬もどんどん強くなっていきます。

 

現代医療の問題点はここにあります。

実は、現代医学の強い薬は、その成分自体が体にとってストレスになります。
ちょっと体調が悪いといって、安易に薬を飲めば、
ストレス状態に拍車がかかり、自律神経の回復が妨げられて、体調はいつまでも改善しません。
こうして薬を手放せなくなり、
本格的な病気を生み出す土壌が作り上げられるという悪循環を、
現代医療は引き起こしているのです。

その原因は、
私たちが日常的に感じる症状
ー たとえば発熱、だるさ、痛み、下痢、セキ -
は、いずれも自律神経が本来の働きを取り戻し、病気から脱却するための治癒反応である
ことを、医師も患者も知らない、あるいは忘れてしまったことにあります。

 

もちろん、急性疾患などで症状が激しく現れているときは、
ある程度勢いがおさまるまでの一定期間、薬を使用するするのは有効です。
症状と薬の力のバランスがうまく働き合った場合には、よい形での治癒が期待できるでしょう。

しかし、ゆるやかに続いている症状を、
長期にわたって薬で無理やり押さえ込もうとすれば、
体はいつまでたっても病気を治癒させることができません。
近年、慢性疾患が治りにくく、難治化してきている原因も、突き詰めていけば、過剰な医療にあったのです。

こうして、
「あらゆる病気は、ストレスによる自律神経の乱れから免疫力が低下して発病する。
対症療法に頼らず、自律神経のバランスを整える治療や生活習慣を身につけて免疫力が高まれば、
自然と治癒に向かう」
という病気の全体像を見出した私たちは、
これを「福田ー安保理論」と名づけ、病気を根本から回復させる真の免疫学として提唱してきました。
この理論に基づき、自分自身の力で病気から脱却できた人も確実にふえています。

 

 

 

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